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[リレーコラム] VOL.002

自転車通勤で考えた
入道雲・はちみつ・グリーングラス施設長 村尾朗(むらおあきら)
毎年の健康診断で着実に血圧が高くなってきた。今年はすでに限界を超え、対処しなければ危険という自己診断に至った。もともと運動好きではないのがここにきて全くスポーツをしない自分に気が付いた。ジョギングは高校時代のいやな記憶が蘇るし、プールでの水泳は得意ではないし、スポーツジムは費用に抵抗があるし…なによりも時間がない。思いついたのは自転車通勤である。都合よく比較的軽量なスポーツ車を所持していたのでさっそく整備し、3月の初めからめでたく自転車通勤となった。

通勤し始めたのが「春」というよい季節であったことが幸いした。というのは毎日の風景が新鮮なのである。オートバイは比較的風を感じる乗り物だが自転車はまた違った細かな感覚がある。風を切る音しか聞こえない世界で見えてくる周囲の風景は毎日新しいものだ。通勤路には小さな花が咲き、木々が芽吹く、牛が鳴き、春霞がたなびく…自転車でなければ得られなかったものを簡単に手に入れた。

毎日の支援はどうだろう。知的障害者の生活のパターンに慣れてしまい、スタッフ自身が同じスタイル、同じテンポ、同じ視点、同じ手順によって仕事をこなすようになっていないだろうか。確かにマニュアル化された手順を正確に守ることは大切だろう。あるいはこちらが同じように対応しようとしても相手側は毎日様々な様子でこちらに迫ってくる。決して同じように対応などできない、とスタッフは思うかもしれない。しかし…である。この自転車通勤で考えたアイディアはまんざらでもないかもしれない。スタッフにはそれぞれのペースがあり、手順があり、固定化された視点があるように思う。それをあえて変えてみることで初めて見えてくる相手側の表情があるかもしれない。ものごととの関係や人との関係はきっとそのようなものに違いない、と考えながら自転車のペダルをこぐ毎日である。イメージ、イメージ!


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